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料亭と呼ばれるお店が立ち並ぶ色町のお話『飛田の子 遊郭の街に働く女たちの人生』| 読書感想文


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飛田新地、ご存知ですか?

 

 

大阪市西成区の山王3丁目一帯に広がる、大正時代に開かれ日本最大と言われた飛田遊廓の事です。

 

そこには「料亭」と呼ばれるお店が立ち並びます。そしてそこにいる女の子(仲居)は、たまたまやっておきたお客さんと、店の2階で自由恋愛をして....結ばれることになります。

 

お店にいる女性は...若い女の子から、「年金通り」と呼ばれるところで働くベテランさんまで。

 

この本は、この飛田新地の料亭の元経営者がつづった人間ドキュメントです。(この本の前に「遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白 飛田で生きる」があります。)

 

飛田の子 遊郭の街に働く女たちの人生 感想

 

「BOOK」データベースより

店で働く「飛田の子」たちの心模様を丹念につづった人間ドキュメント。彼女たちは、どんな気持ちで玄関の上がり框に座り、どんな気持ちで男たちに接しているのか。知られざる想いを圧倒的なリアリティで描き出す

 

正直、女性にとってこのような場所は馴染みがないというか....どこか別世界のように感じませんか?

 

私もそう感じていました。

 

だけど、そこで働いている人は自分と同じ ”女性” なんですよね。そう思うと、なんとも言えない気持ちになります。

 

本書には年も境遇も、飛田で働く理由も様々な6人の女の子が出てきます。そしてそこは、女の憎悪が渦巻く悲しい場所に感じました。

 

女の子達のプライバシーへの配慮として、多少のフェイクが入っているとは思うのですが....普通に結婚していたけれど子供ができない事が原因で離婚し、その後飛田で働くという女性。

 

母親もまた飛田で働いていた...という女性。

 

夫も子供もいるが、生活のために飛田で働く...という女性の話が出てきます。

 

 

そして年を重ねて現役を引退すると、その女性達は...お店にお客を呼び込む ”呼び込みのおばちゃん” になる人も多いらしく...まさに「飛田で生きる人」だと感じました。

 

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この本が発売された2013年頃は160軒ほどの料亭があり、1日に300~400の女の子が働いていたそう。(現在は少し減っているみたいです。)

 

タイムスリップしたような遊郭の佇まいと、その環境やシステムを考えると...なんだかちょっと信じられない感じ。

 

だけど、現在主流と言われているデリバリーよりは、女の子にとっては安全なのかな?とも思ったり。(ただ、衛生面は気になる....)

 

 

こういった性産業には、いろんな意見があって当たり前。

 

私とて、それが正義なのか悪なのか分かりませんし、そういったものなのかそうでないのかさえ分かりません。

 

だけど...そこに生きる女性たちの事情や、それぞれが抱える闇を想像すると、なんとも言えない切なさも感じつつ、実はその強さに惹かれたりもします。

 

欲望と欲情、憎悪、哀愁の漂う街...飛田遊郭。

 

* この本の感想を書きました *

作 者:杉坂圭介 作者:杉坂圭介
発売日:2013年08月01日

読了日:2013年12月19日