
精神科ナース、精神科医、医療施設や団体など、著者の水谷緑さんが様々なところに取材をしてまとめたコミックエッセイです。
精神科のリアルな現場を新人看護師の目線で描いています。
精神科ナースになったわけ 感想
「BOOK」データベースより
看護師の資格を取り、「精神科」で働くことを決意。 しかし身体のケガや病気のように目で見て明らかではない精神の病を抱える患者たちとの日々は想像以上に大変で忍耐力のいることだった。
何度も何度も読んでしまう本。
そして、何度読んでも同じところで同じように胸が痛くなります。
精神科には統合失調症や境界性人格障害、認知症...様々な病気の方が入院されています。
私は仕事で1度だけ精神科病棟に入ったことがあるのですが....下着姿で歩くおばちゃんや、ご機嫌に動揺を大声で歌っている人、ひたすら頭を壁にぶつけている人など....日常では出会わないような方がいました。
だけど、職員さんたちは(よっぽどの危険行為でなければ)無理にそれを止めたり怒ったりするわけでなく....みなそれぞれに好きなように過ごしていて驚きました。
その様子を横目に見ながら「社会では理性や常識で心を武装しているけれど....ここではみんな自由なんだ...」と思いました。
加えて少しのどかな空気さえ感じたので、作中の主人公ナースが精神科病棟で「落ち着く」と思った気持ちは、ほんの少し分かるような気がします。
でも実際は、そんなこと言ってられないような環境の病院や、暴力的で暴れたりする患者、排泄物を塗りたくる患者なども多く、医療現場の方が精神科を受診することも少なくないという事実に心が痛みます。
最近では日本の医療現場の様々な問題が浮き彫りになってきているし、もっと現場の医療従事者の方々の負担が少なくなっていけばいいな....と思っています。
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作中に「幻聴妄想かるた」というのが出てくるのですが、それがとても印象的でした。実際に購入することもできるようです。
"普通"の人から見たら異常に見える行動も、患者はいたって真剣でその行動には理由がある。
「狂う」とはなんなんだろう。
「狂ってない」との境界線はどこだろう。
そんなことを考えた1冊でした。