
第46回「群像新人文学賞(小説部門・優秀作)」受賞作品。
そしてこの作品が、村田沙耶香さんのデビュー作です。
授乳 感想
「BOOK」データベースより
受験を控えた私の元にやってきた家庭教師の「先生」。授業は週に2回。火曜に数学、金曜に英語。私を苛立たせる母と思春期の女の子を逆上させる要素を少しだけ持つ父。その家の中で私と先生は何かを共有し、この部屋だけの特別な空気を閉じ込めたはずだった。「――ねえ、ゲームしようよ」。表題作他2編。
感想は正直、めちゃくちゃ難しい。
理由は....登場人物がみな狂っているから。
本作品は表題作を含む3つの短編集なのだけれど、その全ての登場人物が狂っている。
ドロドロとして闇深く、笑ってしまうほどに狂っている....のに目を離せない。
そしてほんのわずかに”共感”してしまったことに絶望すら感じた。
特に表題作の主人公の「何か新しいものが自分の生活に入り込んでくるとき、天気が妙に晴れていると緊張してしまう。」という言葉には息を止めて目を閉じてしまうほどに共感した。
非現実的な話のはずなのに、投げつけてくる言葉が鮮明だから映像がハッキリと浮かぶ。
それがまるで、私自身の歪みを私自身に認知させるかのようで....チクリと痛い。
