
タイトルと装画に惹かれました。
凄く凄くよかったです。何度も読みたいです。
本作品は、連作短編集で登場人物がリンクします。それがまた非常に胸に刺さる構成になっています。
骨を彩る 感想
「BOOK」データベースより
わからない、取り戻せない、どうしようもない。心に「ない」を抱える人々を痛いほど繊細に描いた代表作。
誰もが心の隅にもっている、暗く黒いもの。
皆、そういったものを抱えながら生きている。
そして、それを人には見られたくなくて隠す。
でも、自分だけで抱えるのは苦しい。
そんな風に葛藤しながら、それでも生きる。
自分の黒い部分しか見えないときは、自分の骨は黒く濁り、周りの景色さえもモノクロに見える。
けれど...それらは、あるふとした瞬間に美しい彩りをまとう。
登場人物の玲子と自分が重なって、凄く苦しかった。
玲子が想う”ばらばらを心の内側に持たない、みずみずしく傷つきやすいものを憎んでいたい気持ちがある”という言葉がとても印象的で、まさに一番苦しかった時の私。
私は25歳~35歳くらいの間、ずっとそんな風に思って生きてきた気がする。
人前でも素直に涙を流し、素直に人に心を開き、まぶしいほどに笑っている人たちに対して抱えていた気持ちは、きっとこれだったんだと思う。
私の目に映るそんな人々は、みんなに愛されていてとてもみずみずしい。
自分が苦しんでいた時は、そんな眩しい人たちにあって自分にはない...そう欠けている骨を探して、見つからないと苦しく思っていた。
だけど...きっと私の骨は足りている。
そんな事を想いながら読み終えた。
そして、あぁ私はこれでいいんだと思った。
私はこれからも私で生きていく。
そんな風に思えた作品だった。
読み終えた時、私が惹かれたタイトルと装画がより一層素敵に輝いて見えた。
「骨」がキーワードなのだけれど、骨...それはその人そのものというか、その人を造っているもの、そんな感じだろうか。
骨とは離れられないように、自分の中の闇からも離れられない。
だからこそ、それを含めて自分なのだと、その闇や悲しみさえも、私の大切な骨なのだと気づかされた。
どの物語も凄く引き込まれてよかったのですが、私は玲子と小春の物語が凄く好きだった。
