明日も笑えるように、今日も本を読みます

- 読みたい本を、読みたい時に、読みたいだけ -


・小説

今を生きる女性の心情が瑞々しく描かれた作品『小さいおじさん』| 読書感想文

万城目学をはじめ数々の人気作家を生んだボイルドエッグズ新人賞の第15回受賞作にして、新人賞受賞作としては日本で初めて競争入札が行われ、複数社からの応札を経て刊行が決まった作品です。 タイトルから勝手にほんわかしたファンタジーを想像しましたが、…

超絶ファンタジーな世界へようこそ!『夢巻』| 読書感想文

星新一さんに憧れてショートショートを書き始めたという、田丸雅智さんの初の単行本です。 1話5分くらいで読めるので、読書が苦手な方でも読みやすいと思います。(私が読書を始めた時は、星新一のショートショートから始めました。) 実は作者の田丸雅智…

七十歳死亡法施の行まであと2年!あなたはどうする?『七十歳死亡法案、可決』| 読書感想文

衝撃のタイトルに惹かれ...怖いもの見たさで図書館にて。 タイトルから想像していたような恐ろしさなどは全くなく、面白くて睡眠時間を削っての一気読みでした。 七十歳死亡法案、可決 感想 「BOOK」データベースより 高齢者が国民の三割を超え、破綻寸前の…

夫がいる全ての人がタイトル買いしたくなる!?読後少し切ないミステリー『殺した夫が帰ってきました』| 読書感想文

突然ですが...夫を殺したいと思ったことはありますか? 私は...もちろんありません。えぇ、本当です...本当にありませんよ...(意味深) こちら、完全なタイトル買いです。 夫と一緒に本屋さんへ行った時に買いました。うふふ。 殺した夫が帰ってきました 感…

呼ぶことはできなくても頻繁に呼ばれる人生『婚礼、葬礼、その他』| 読書感想文

第139回芥川賞候補作。 私は津村さんの描く「怒り」が好き。この人の世界観が好き。 この作品は表題通り、冠婚葬祭に翻弄される主人公の話です。 婚礼、葬礼、その他 感想 「BOOK」データベースより 大学時代の友人結婚式に出席中、上司の親の通夜手伝いに呼…

シュールでスパイシーな大人の寓話集『頭のうちどころが悪かった熊の話』| 読書感想文

表紙買いした1冊。 2007年に買って何回も読んでいる本です。 不思議なことに、読む時の自分の状況とかで感じ方が変わります。動物が主人公の7つの短編集です。 頭のうちどころが悪かった熊の話 感想 「BOOK」データベースより 動物世間のよもやま話に奇妙で…

言い訳をいちばん必要とするのは家族です『家族の言い訳』| 読書感想文

私もいい大人になり、自分の家族を持っということを経て、最近なんとなく「家族」というものが分かってきた...かな? そんなタイミングでこの本に出会えてよかった、そう思いました。 『ホタルの熱』『おかあちゃんの口紅』はラジオドラマや入試問題にもなっ…

情景や着物の柄さえも...ふわぁ~っと浮かぶような見事な描写『花宵道中』| 読書感想文

第5回 女による女のためのR-18文学賞で、大賞と読者賞を受賞した作品です。 江戸は吉原での遊女のお話。 安達祐実さん主演で映画化されています。 リンク 花魁のお話なので作中に性描写があるので、好き嫌いは分かれるかもしれませんが...女性作家のためか、…

こんな生き方、働き方もある。新しい“脱力系”勤労小説『ポトスライムの舟』| 読書感想文

第140回(2008年下半期)芥川賞受賞作です。 私は津村記久子さんの文章がとても好き! ドキドキするようなことが特に起きる訳でもなく、淡々と過ぎる毎日を書いている佐生品が多いのですが、それが私の中にすっと入ってきます。 そして、「怒り」を書くのが…

狂っている....のに目を離せない人たち『授乳』| 読書感想文

第46回「群像新人文学賞(小説部門・優秀作)」受賞作品。 そしてこの作品が、村田沙耶香さんのデビュー作です。 授乳 感想 「BOOK」データベースより 受験を控えた私の元にやってきた家庭教師の「先生」。授業は週に2回。火曜に数学、金曜に英語。私を苛立…

夫婦や家庭の中に潜む孤独と闇『主婦病』| 読書感想文

本屋さんで、タイトルがなんとな~く目に留まり購入。 収録されている「まばたきがスイッチ」は、第12回女による女のためのR-18文学賞読者賞受賞作品です。(故に性表現が多めです。) 主婦病 感想 「BOOK」データベースより 「たとえ専業主婦でも、女はいざ…

胸がざわざわする心理的ホラー『 噛みあわない会話と、ある過去について』| 読書感想文

4話からなる短編集。 誰だって1つや2つあるであろう「現実と記憶の相違」。 それが自分の中だけでのことならば、さほど問題でないけれど...相手がいることだったら、こんな感じになっちゃうよなぁ...という感じ。 多くの人は、後に「答え合わせ」をしないか…

私は少女を抱きしめてあげたい『母影(おもかげ)』| 読書感想文

「母影」と書いて”おもかげ”と読みます。 ロックバンド「クリープハイプ」のヴォーカル&ギターの尾崎世界観さんの4年半ぶり、初の純文学作品。第164回 芥川賞候補作です。 母影 感想 「BOOK」データベースより 少女の純然たる目で母の秘密と世界の歪(いびつ…

どうせ生きているからには、苦しいのはあたり前だと思え『蜘蛛の糸・地獄変』| 読書感想文

表紙とお値段に惹かれて買いました。 あと、日本を代表する文豪の作品に触れたかったのもあります。『蜘蛛の糸』『地獄変』を含む計8編が収録されています。 蜘蛛の糸・地獄変 感想 「BOOK」データベースより 地獄の池で見つけた一筋の光はお釈迦様が垂らし…

どこでもいい。いつでもいい。 一緒に行こう。旅に出よう!『ハグとナガラ』| 読書感想文

他の短編集に収録されていた作品や、文芸誌で発表されたものをひとつにした文庫オリジナルの全6話の短編連作集です。(第一話の「旅をあきらめた友と、その母への手紙」は『さいはての彼女』に収録されています。) 解説は阿川佐和子さん。 旅を舞台にした人…

その闇や悲しみさえも、自分『骨を彩る』| 読書感想文

タイトルと装画に惹かれました。 凄く凄くよかったです。何度も読みたいです。 本作品は、連作短編集で登場人物がリンクします。それがまた非常に胸に刺さる構成になっています。 骨を彩る 感想 「BOOK」データベースより わからない、取り戻せない、どうし…

母親が「女」になること...それはそれは恐怖で悍ましい『乳と卵』| 読書感想文

姉とその娘が大阪からやってきた。 三十九歳の姉は豊胸手術を目論んでいる。姪は言葉を発しない。 そんな2人とわたしの不可思議な夏の三日間が過ぎてゆく... 第138回(2007年下半期)芥川賞受賞作です。 乳と卵 感想 「BOOK」データベースより 夏の三日間に…

面倒だけど愛おしい「ふるさと」をめぐる物語『桜の下で待っている』| 読書感想文

郡山、仙台、花巻…桜前線が日本列島を北上する4月、新幹線で北へ向かう男女5人の物語。 特に大きな何かが起こるわけではないけれど...彩瀬まるさんらしい美しい物語でした。ぜひ春に読んでほしい1冊です。 桜の下で待っている 感想 「BOOK」データベースより…

一瞬の煌めきを鮮やかに描く全7編『ホテルローヤル』| 読書感想文

第149回(2013年上半期)直木賞受賞作です。 この作品の舞台は、廃墟となった「ホテルローヤル」という名のラブホテル。 作者 桜木紫乃さんのご実家が営まれていたラブホテルと同じ名前です。 ホテルローヤル 感想 「BOOK」データベースより ささやかな昂揚…

推しがいない私を一瞬で物語へ引きずり込んでいった『推し、燃ゆ』| 読書感想文

第164回(2020年度下半期)芥川賞受賞作、2021年本屋大賞ノミネート作品です。 推し、燃ゆ 感想 「BOOK」データベースより 推しが炎上した。ままならない人生を引きずり、祈るように推しを推す。そんなある日、推しがファンを殴った。 私は生まれてから今の…

主人公たちの気持ちは、あのころの私の気持ち『まともな家の子供はいない』| 読書感想文

『まともな家の子供はいない』なんだか心に刺さるタイトルです。 受験を控えた中学3年セキコを中心に進んでいく「まともな家の子供はいない」と、セキコの同級生を中心に進む「サバイブ」の2話が収録されています。 まともな家の子供はいない 感想 「BOOK」…

艶やかな表現と”美しく朽ちてゆく”ということに心をつかまれる『花に眩(くら)む』| 読書感想文

第9回 女による女のためのR-18文学賞の読者賞受賞作品。彩瀬まるさんのデビュー作です。私は電子書籍で購入。短編小説なのですぐに読めます。 著者の原点にして頂点の作品集、とも言われる『花に埋もれる』にも収録されています。 花に眩む 感想 「BOOK」デ…

"あなた"がネットの世界にのめりこんでいく様子がリアル『爪と目』| 読書感想文

第149回(2013年上半期)芥川賞受賞作です。 独自の視点へのアプローチで、読み手を戦慄させるホラー作品です。 爪と目 感想 「BOOK」データベースより 三歳児の「わたし」が、父、喪った母、父の再婚相手をとりまく不穏な関係を語る。母はなぜ死に、継母は…

淡々と繰り返される日々の中で”働く”を考える『ワーカーズ・ダイジェスト』| 読書感想文

私がまだ30代、仕事も育児もいっぱいいっぱいだった時に支えてくれた作家さんの一人がこの本の著者 津村記久子さん。 そんな津村さんのお仕事小説です。 ワーカーズ・ダイジェスト 感想 「BOOK」データベースより 大阪のデザイン事務所で働く奈加子と東京の…

おいしいものを誰かと食べる幸せ『ランチのアッコちゃん』| 読書感想文

読むほどに心が弾んでくる四編のお話。重たい本を読んだ後に読みたい1冊です。 2014年本屋大賞にノミネートされ、第7位にランクインした作品です。 ランチのアッコちゃん 感想 「BOOK」データベースより 彼氏にフラれて落ち込んでいた派遣社員の澤田三智子は…